手術による脂肪吸引

手術はどのような方法で行われるのですか?
まず最初に脂肪層に薄い麻酔液と止血剤が入った生理食塩水を大量に注入し、脂肪細胞に吸引させて脂肪細胞を十分ふくらませます(ハイパーウエットメソッド)。 次に直径3mmの細い管を、ヒフに開けた小さな数ミリの穴より通して脂肪を強力な吸引力を出す脂肪吸引機で吸い出します。このとき薄い麻酔液と止血剤の効果により痛みも少なく出血も少なく、しかも脂肪細胞を生理食塩水で十分ふくらませているために、ヒフの表面が凸凹なることなく脂肪吸引できます。最後にヒフに開けた4~5mm位を溶ける糸で一針縫合して終了します。 穴を開ける場所は頬やアゴは耳の裏側のつけ根、二の腕は肘のシワのところ、腹はへその穴の中かウエストの両サイド、腰背はウエストのうしろ側、背中は肩甲骨の下のあたりに、おしりと太ももの面はおしりのシワの中に、太ももの内・外・前面は股のつけ根のところに、ふくらはぎと足首はひざの裏側です。
手術の時間はどれくらいかかりますか?
麻酔をかける時間も含めて下記となります。 30分
頬・アゴ・二の腕・背中・ウエスト・ふくらはぎ・おしり
40~50分
太もも前面・太もも後面・腹部
腫れや青あざ(内出血)はでますか?
直後より以前より少し細くなった感じになりますが、その後2~3日は少しむくみます。しかし腫れることはありません。1週間ぐらいでむくみはかなりひいて、以前より少し細いような感じになります。その後2~3週間ぐらいでまた一回りぐらい細くなり、さらに2~3ヶ月後により一回り細くなります。 その後は1年ぐらいかけてまたほんの少しだけ細くなります。青アザ(内出血)は、当院で行っているハイパーウエットメソッドによりかなり少なくなりました。二の腕や頬・アゴ・ふくらはぎ・腹部・ウエスト・背中ではほとんど出ません。 しかし10人に1~2人ぐらいの割合で少しだけ青アザが出ます。太ももは比較的青アザができやすいですが、それでも2人に1人ぐらいの割合で、少し青アザがでるぐらいで大丈夫です。まれに内出血がひどく出る人もいますが2~3週間で治ります。
傷跡は残りますか?
傷跡は直径数ミリの吸引管(カニューレ)を通すための4~5mmの小さな穴が吸引部位ごとに1ヶ所だけですので、目立つことなく、数ヶ月で治ります。傷の治り方や期間には個人差がありますが、ほとんどの人は時間とともに傷はわからなくなります。但しまれにケロイド体質の人は少し残ってしまう場合もありますが、傷自体は小さいので目立つことはありません。
入院・通院は必要になりますか?
ハイパー・ウエット・メソッドという局所麻酔で行いますので入院も必要なく、日帰りで可能です。通院は吸収糸を使いますので特に必要ありません。
痛みはあるのですか?
2~3日は吸引部に打撲痛や筋肉痛のような痛みが残りますが、日常生活には特にさしつかえありません。
何か注意する点はありますか?
2~3日はハードな仕事は控えて下さい。デスクワークや家事はほぼ普段通りにできますが、2~3週間はスポーツは控えて下さい。太ももの場合はSEXは1~2週間できません。お酒も1週間は飲まないほうがいいです。手術後1週間は包帯替わりに、医療用ストッキングやウエストニッパーをつけていただきます。
仕事は普段通りにできますか?
ハードな仕事は2~3日控えた方が無難です。デスクワークや家事はほぼ普段通りにできますので翌日より会社にも行けます。運送業や看護士、介護士などの体を使う仕事の場合は翌々日ぐらいからのほうが無難です。ウエイトレスや美容師・販売員のような仕事は翌日からでも大丈夫です。
シャワーや入浴はしても大丈夫ですか?
シャワーは当日はやめておいて下さい。髪の毛をシャンプーするぐらいは、美容院で行うようにシャンプー台などで行うのであれば当日からでも大丈夫です。翌日よりカニューレを入れるために穴を開けた数ミリの傷口のところに、こちらでお渡しする防水テープをはって、その上からシャワーを浴びて下さい。湯舟に入るのは1週間はやめておいていただきます。
リスクはあるのですか?
肪吸引のリスクとしては、貧血、感染、脂肪塞栓、吸引部の凹凸・ヒフのタルミ、麻酔の事故などです。かつて脂肪吸引が行われた当初の頃は、脂肪の取り過ぎによる貧血やショックなどで死亡事故なども起きていました。しかし最近では脂肪吸引の技術と安全性が飛躍的に向上し、これらの事故が起こることもほとんどなくなりました。手術である以上、リスクはまったくゼロにはできませんが、いまでは限りなくゼロに近づきつつあり、当院では開業以来20年以上、3万件を越える脂肪吸引の手術を行ってきましたが、重大な事故はいまだに1例もありません。 ここまで飛躍的に安全性が向上した最大の要因は、80年代後半に脂肪吸引先進国のアメリカで導入された、ハイパー・ウエット・メソッドという麻酔方法にあります。当院ではこのハイパー・ウエット・メソッドを早くから導入し、普及させてきたクリニックの一つです。この方法は、非常に薄い麻酔液が入った体液と同じ成分の生理食塩水に、出血を抑える薬と、ショックなどを予防する薬を混ぜて、大量に脂肪をとる脂肪層に浸透させます。これによって術中の出血がほとんどなくなり、貧血が予防され、脂肪細胞がこの生理食塩水を取り込んで大きくふくらむために、吸引部の凹凸と脂肪組織が血管に入って血管がつまってしまう脂肪塞栓を飛躍的に予防できるようになりました。このハイパー・ウエット・メソッドは基本的に局所麻酔で行えるので麻酔事故が起こることもほとんどありません。感染に関しては、現在の医学のレベルではほとんど起こることはなく当院では過去に一度も感染例を出していません。 脂肪の取り過ぎということに関しましては、一度に取れる脂肪の量は最大3000~4000ccと言われてますので、日本人の女性であればまず一度に3000~4000ccを上回る脂肪がとれるほど太っていらっしゃる方はほとんどいらっしゃいませんのでまず大丈夫です。しかしたまにアメリカ人などに見られる極度の肥満状態にある人は、吸引部分を同時に何か所も取るのではなく、制限したほうがいいでしょう。ヒフのタルミに関しましても、かなり太っている人ではない限りタルむことはまずありませんし、かなり太っていらっしゃる方でもドクターのほうであまりにヒフがたるむようであれば、それ以上吸引しないなどの判断をします。
麻酔は?
麻酔は全身麻酔・腰椎麻酔、硬膜外麻酔などがありますが、当院ではハイパー・ウエット・メソッドという術後の痛みが少なく、社会復帰の早い方法を採用しています。この方法は非常に薄い麻酔薬と止血薬、ショックを予防する薬などがはいった、体液とほぼ同じ成分の生理食塩水をあらかじめ脂肪部分に十分にいき渡らせてから、脂肪を吸い出しますので、術中の痛み・出血がほとんどなく、しかも脂肪細胞が血管につまる脂肪塞栓、ヒフの凹凸、麻酔による事故などの予防になりますので理想的な方法です。 しかも薄い麻酔液が吸引部のすみずみまで行き渡っていますので、麻酔の持続時間が長く、ゆっくりと徐々に麻酔がきれてくるので、術後の痛みが少なく、術後すぐに気分不快もなく普通に歩いて帰宅できます。4~5時間は麻酔が効いていますので遠方の方でも充分ひとりで普通に帰宅が可能です。
デコボコになったりしませんか?
当院ではハイパー・ウエット・メソッドという麻酔方法を採用し、しかも吸引管(カニューレ)はすべて直径3mmという極細管を使用していますので、ヒフの表面が凹凸になることはまずありません。
皮膚がたるんだりしませんか?
日本人の女性の場合、極度の肥満という方はほとんどいらっしゃいませんので、脂肪をかなりたくさん吸引したとしてもヒフがたるんだりすることはありません。 但し肥満がかなり進行している人の場合、あまりたくさん脂肪を取り過ぎるとヒフがタルんでしまう場合があります。そういった場合は、経験が豊富なドクターが術中に適正な判断をいたしますので、ヒフのタルミ具合を見ながら、これ以上脂肪を取るとヒフがたるんでみっともなくなると判断した場合は、それ以上脂肪を吸引しません。
どこ場所の脂肪が一度にどれだけの量取れるの?
一度にとれる脂肪の量は3000~4000ccぐらいが平均的な量だと言われています。これは脂肪吸引を受けに来院される日本人女性にあてはめると、腹部全体で1800~1500cc、太もものおもて側1000cc~1500cc、おしりと太ももうしろ側で1000~1500cc、ふくらはぎ400~800cc、二の腕400~800cc、背中やウエスト300~500cc、頬・アゴ100~200ccぐらいですので、一度に吸引できる部位は、太もものおもて側+おしりと太ももうしろ側+腹部全体、あるいは下半身全体(太ももおもて+うしろ側+おしり+ふくらはぎ)とか、上半身全体(頬・アゴ+二の腕+背中・ウエスト+お腹全体)とかです。つまり全身の取れるところを脂肪吸引する場合は2回にわける必要があると思います。
再度他の部分の脂肪を取るまでどれだけ間をあければいいの?
太もも表側のみ、腹部のみの場合などは一週間ぐらい間をあければ充分ですが、同時に数ヶ所ずつ取る場合は2~3週間必要になります。全身の場合は吸引量が多いため2回に分けて吸引しますが、その場合最低1ヶ月程度はあけたほうがいいでしょう。
毛細血管や神経、筋肉などを傷つけたりしないの?
脂肪吸引は直径3mmという非常に細い管(カニューレ)を通して脂肪を吸引します。しかもそのカニューレの先端は太い血管や神経、筋肉などを傷つけないようにまるみをもった形になっていますので、技術のしっかりしたクリニックで受ければ問題はありません。非常に細い毛細血管や神経は少し傷つける場合がありますが、毛細血管や細い神経などはすぐに元通りに治りますので心配はいりません。 たとえば机などに足などをぶつけたときに、青アザになったり、ぶつけた場所がビリビリとさわると痛い感じがするときがありますが、元通りに治るのをみなさんご経験されたことがあると思います。その時に毛細血管や細い神経が傷ついていますが、人間本来の回復力で治ってしまうのと同じように脂肪の吸引部の毛細血管や細い神経も治るので心配はいりません。
仕上りまでの日数は?
吸引直後は少し細くなっている程度ですが、その後2~3日はそれから少しむくみます。大体1週間ぐらいで以前より細くなったと実感できますが、さほどむくみのせいで細くはなっていません。2~3週間でかなりすっきりしてきますが、2~3ヶ月ぐらいでより一段とすっきりして、ほぼ仕上りに近くなりますが、そこからは1年ぐらいかけてゆっくりとまたほんのひとまわり細くなります。従って、2~3週間で効果があらわれ、2~3ヶ月でほぼ仕上りに近くなりますが、細くなりきるのは1年後ぐらいと思っておいて下さい。
SEXはいつからできる?
部位にもよりますが、太もも以外は翌日からでも可能です。しかし太ももは1~2週間ぐらいはやめておいたほうがいいです。
一度脂肪吸引した部位でも、もう一度吸引できるの?
当院では一度で可能な限り脂肪を吸引しますので、当院で行った脂肪吸引の再吸引に関しては、それ以上吸引することにより表面が凹凸になったり、ヒフがたるんだりする恐れがありますのでできません。他院の吸引後に関しては、実際に見せていただいて再度吸引可能かどうか判断させていただいています。
コンピューター・シミュレーションは信用できる?
コンピュータによる術後の仕上りのシミュレーションは、はっきり言って信用できないと思います。なぜなら、術後の仕上り、つまりどこがどれだけ細くなるかというのは、その人それぞれの脂肪のつきかた、量、あるいは筋肉質かどうかなど複雑な要素がからみ合っていて、我々のように1万件以上の症例を持つ医師が見ても正確な予測はできないものです。 ところがコンピューターのシミュレーションは単純に、デジカメで取り込んだ画像を画面上で機械的に細くするだけですので、操作のしかたによっていくらでも細くできるからです。もしもシミュレーション通りにできますというクリニックがあれば、その画像をプリントしてもらい、その通りにならなければ料金を全額返金すると一筆書いてもらって下さい。そんな要求に答えてくれるクリニックは一件もないでしょう。なぜならシミュレーション通りにはならないことのほうが圧倒的に多いからです。

まずは、お気軽にご相談ください